睡眠と脳卒中

ぐっすり眠ることが大事なことは直感的に理解できる。睡眠不足は生活の質をそこない、肥満や高血圧、心血管系疾患など生活習慣病になりやすくする。それでは最高の睡眠とは何かというと—「最初の90分」をしっかり深く眠ることができれば—良質の睡眠をえることができるということらしい [注1] 。つまり睡眠は量(=睡眠時間)よりも質が大事である(より正確に言うと、質の良い睡眠を7-8時間は取った方がよい)。

 

睡眠時間(6-8時間より多いか少ないか)によって脳卒中になりやすいかについての追跡調査(追跡開始時平均61.6歳、9,692例の健常高齢者を9.5年追跡)と、11の先行研究と本研究を含めたメタアナリシス(総数559,252例)も行ったものが報告されている [Ref. 1] 。どちらの結果でも、特に長い睡眠時間の(8時間より長く眠る)方が脳卒中になりやすかった。これは観察研究なので長時間の睡眠脳卒中の原因であると決めつけることはできない。むしろ脳卒中になりかかった(脳の)状態が長い睡眠時間をもたらしている可能性もある。

 

「果報は寝て待て」ない のか?

 

注1:「スタンフォード式 最高の睡眠」(西野精治著、サンマーク出版)は、科学的根拠にもとづいて、より良く眠る方法について書かれている。

 

Ref. 1: Leng Y, Cappuccio FP, Wainwright NW, Surtees PG, Luben R, Brayne C, Khaw KT. Sleep duration and risk of fatal and nonfatal stroke: a prospective study and meta-analysis. Neurology 2015;84:1072-1079