なぜ、教育に実験が必要なのか?

教育と認知症について、69もの観察研究をまとめたメタアナリシスがある [Ref. 1] 。これによると教育歴が低いと認知症は増加する(オッズ比と95%信頼区間は、認知症の頻度に対して2.61 [2.21-3.07]、発症率に対して1.88 [1.51-2.34])。明らかに教育には認知症の予防効果がある(らしい)。

 

教育の効果をきちんと検証するには、ランダム化比較試験が必要となる [注1] 。ランダム=無作為とは、「意図的に手を加えることなく偶然にまかせる」ことであり、ランダム化により「検定したいある因子」以外のすべての因子は群間で同じとなる。したがってランダム化比較試験により群間に有意差が出た場合、その結果をもたらした原因は「特定のその因子」であると結論することができる。このようなランダム化比較試験という「実験」を駆使して、教育経済学は「どういう教育が成功する子供を育てるのか」という強力なエビデンスを示すことができる。

 

ランダム化比較「実験」をやってみよう!(もちろん倫理委員会審査は必須)

 

Ref. 1:Meng X, D'Arcy C. Education and dementia in the context of the cognitive reserve hypothesis: a systematic review with meta-analyses and qualitative analyses. PLoS One 2012;7:e38268

 

注1:「学力」の経済学(中室牧子、デイスカバー・トウエンテイワン)