植物性タンパク質で脳梗塞が、動物性タンパク質で脳出血が減少する

久山町住民2,587人(データ解析は2,400人)を対象として、食事中からのタンパク摂取量と脳卒中発症リスクの関係が、19年の追跡調査において明らかとなりました[Ref. 1] 。食事については70項目半定量的食物摂取質問表を用いています。植物性タンパク質が最も多い群(4分位)では虚血性脳卒中脳梗塞、期間中172例発症)のハザード比[注1] が0.60(95%信頼区間0.38-0.95)と有意に低下していました。一方、動物性タンパク質が多い群では脳出血(期間中58例発症)のハザード比が0.47(95%信頼区間0.23-0.96)と低下していました。植物性タンパク質摂取量は大豆を使用した食品との関連がもっとも強く、野菜や藻類との関連もみとめられました。動物性タンパク質摂取量は魚、次いで乳製品や肉、卵との関連が強く見られました。この結果からは植物性と動物性のタンパク質をバランスよく摂取することで、脳卒中の予防が可能であることを示唆しているようです(と著者らも結論しています)。

 

日本人のデータ:食事のタンパク質が多いと脳卒中のリスクが減少する。

 

注1:コックス比例ハザードモデルにより、年齢、性別、高血圧、糖尿病、総コレステロール、タンパク尿、心電図異常、体格指数、喫煙、飲酒、週3日以上の運動、総エネルギー摂取量で補正している。

 

Ref. 1: Ozawa M, Yoshida D, Hata J, Ohara T, Mukai N, Shibata M, Uchida K, Nagata M, Kitazono T, Kiyohara Y, Ninomiya T. Dietary Protein Intake and Stroke Risk in a General Japanese Population: The Hisayama Study. Stroke 2017;48:1478-1486.