ビタミンやミネラルのサプリによる心血管系疾患の予防効果

心血管系疾患予防のための食事としては、(1)飽和脂肪酸トランス脂肪酸、赤身の肉を減らし、果物と野菜を多くしたもの、(2)地中海食、(3)ベジタリアン食などが推奨されています。サプリよりもこのような食事によって必要な栄養素を取るべきでしょうけど、ついついサプリに依存していないでしょうか?

 

多くのサプリについてその効果を検証した、ランダム化比較試験のメタアナリシスがあります[Ref. 1] 。もっとも一般的なマルチビタミンビタミンD、カルシウム、ビタミンCは心血管系疾患(心血管系疾患全体、脳卒中心筋梗塞)の発症及び疾患による死亡率に対して効果はありませんでした。葉酸とビタミンB群は脳卒中を減少させていましたが、ナイアシン(ビタミンB3)と抗酸化物質混合剤は逆に全疾患死亡率を増加させていました。ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンE、ベータカロテン、亜鉛、鉄分、マグネシウム、セレニウムマルチビタミンは心血管系疾患発症と死亡率に対して有意な効果はありませんでした。一般的にサプリは心筋梗塞脳卒中など心血管系疾患に対してあまり効果はないようです。

 

食品に含まれる「成分」に惑わされるな [注1] !

 

注1:世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事 (津川祐介著、東洋経済新報社刊)

 

Ref. 1: Jenkins DJA, Spence JD, Giovannucci EL, Kim YI, Josse R, Vieth R, Blanco Mejia S, Viguiliouk E, Nishi S, Sahye-Pudaruth S, Paquette M, Patel D, Mitchell S, Kavanagh M, Tsirakis T, Bachiri L, Maran A, Umatheva N, McKay T, Trinidad G, Bernstein D, Chowdhury A, Correa-Betanzo J, Del Principe G, Hajizadeh A, Jayaraman R, Jenkins A, Jenkins W, Kalaichandran R, Kirupaharan G, Manisekaran P, Qutta T, Shahid R, Silver A, Villegas C, White J, Kendall CWC, Pichika SC, Sievenpiper JL. Supplemental Vitamins and Minerals for CVD Prevention and Treatment. J Am Coll Cardiol2018;71:2570-2584.