最近評判の良い地中海食 (改訂後に再掲)

地中海食とは、オリーブオイル・果物・ナッツ・野菜・穀類(精製していない炭水化物)を多量に、魚・鶏肉を比較的多く、乳製品・赤みの肉・加工した肉・甘いものを少なくし、料理と一緒に適量のワインを摂取する食事です。

 

糖尿病もしくは少なくとも3つの危険因子をもつハイリスク集団である7447名(55歳から80歳、57%が女性)を、地中海食+オリーブオイル群・地中海食+ナッツ群・対照群の3群にランダム化割付けし、中央値で4.8年追跡した研究があります[Ref. 1] 。エクストラバージンオリーブオイル(1世帯あたり1週間で約1リットル)もしくはミックスナッツを毎日30グラム(くるみ15グラム、ヘーゼルナッツ7.5グラム、アーモンド7.5グラム)のいずれかの介入を行ない、その効果が検証されました。多変量調節ハザード比と95%信頼区間は、オリーブオイル群で0.69(0.53-0.91)、ナッツ群で0.72(0.54-0.95)と、ともに有害事象(脳卒中心筋梗塞、死亡のいずれか)を3割ほど減少させていました [注1] 。

 

このスペインで行われた大規模研究[注2]の一部を用いて、地中海食の認知機能に及ぼす効果が検討されました [Ref. 2]。研究方法は上記研究と同じでその結果、ナッツ群では記憶が、オリーブオイル群では前頭葉機能と全般的認知機能が改善していました(低脂肪食の教育を受けた対照群との比較)。予想通り介入群では(エクストラバージンオリーブオイルやミックスナッツに多く含まれる)フェノール酸やアルファリノレイン酸関連物質(脂肪酸=油の成分)が増加していました。

 

地中海食—良質の油(脂)の補給—は「脳を健康にする」!

 

注1:2013年の論文(N Engl J Med2013;368:1279-1290)には後にプロトコール逸脱例(もしくはその可能性)があったことが見つかり、この論文は撤回され、修正されたものが再出版されました。結果は大きくは変わりませんでしたが、ここのハザード比は訂正後の値です。

 

注2:The ++ (Prevención con Dieta Mediterránea) trial

 

Ref. 1:Retraction and Republication: Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet. N Engl J Med 2013;368:1279-90. Estruch R, Ros E, Salas-Salvadó J, Covas MI, Corella D, Arós F, Gómez-Gracia E, Ruiz-Gutiérrez V, Fiol M, Lapetra J, Lamuela-Raventos RM, Serra-Majem L, Pintó X, Basora J, Muñoz MA, Sorlí JV, Martínez JA, Martínez-González MA. N Engl J Med2018;378:2441-2442.

 

Ref. 2:Valls-Pedret C, Sala-Vila A, Serra-Mir M, Corella D, de la Torre R, Martínez-González MÁ, Martínez-Lapiscina EH, Fitó M, Pérez-Heras A, Salas-Salvadó J, Estruch R, Ros E. Mediterranean Diet and Age-Related Cognitive Decline: A Randomized Clinical Trial. JAMA Intern Med2015;175:1094-1103.