2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

脳MRI健診から得られたささやかな新知見

アルツハイマー病では記憶の障害が最初に起こるのに対して、脳血管性認知障害では遂行機能障害がその特徴であると言われてきました。私たちの経験でも、潜在性脳梗塞がある(多発する)と遂行機能が障害されますが、さらに慢性腎臓病でも遂行機能が障害され…

脳MRI健診のオプションとしての食塩摂取量測定

2015年に食塩摂取目標値は1日あたり男性8 g、女性7 gに厳格化されましたが、日本人の食塩摂取量は1日男性14 g、女性11.8 gと依然過剰なようです。醤油や味噌からの食塩摂取量が多いのも事実ですが、今日では食塩摂取量の5〜8割は加工食品に由来するので、…

脳MRI健診—画像以外の項目

(1)生活習慣に関するアンケート 生活習慣アンケートでは、まず喫煙と飲酒に関する質問が最初にあります。喫煙は一日平均で10本以上を喫煙ありとしていますが、一日1本でも心血管系疾患リスクがかなり上昇するという報告もあり、今後再評価が必要かもしれ…

一般住民における脳MRI健診

脳MRI画像なしでも、これまで多くの疫学研究から(その多くは観察研究ですが)心血管系疾患の危険因子や認知症になりやすくする(悪い)生活習慣などについて分かってきました。しかしながら、脳卒中を発症していないヒトにも一定数の潜在性脳梗塞は存在しま…

白質病変の迷走

脳MRI検査の出始めには、T2強調画像で「白く光る」病変に目が眩んでいました。それはハッキリ見えるのですから、気になったのは仕方ないでしょう。しかしT2強調画像で同じように「白く光る」病変でも、T1強調画像で明らかに「黒く抜ける」病変とT1強調画像で…

MRIで初めて見つかる脳梗塞—当時の状況

1990年代に脳のMRI検査が普及してきて、症状がなくても脳に病変が意外とあることがわかってきました。高血圧などの危険因子を有する高齢者ではほぼ全例にT2強調画像で「白く光る」病変があるなどという極端なものもありましたが、そこまでいかなくても高齢者…