2022-12-06から1日間の記事一覧

肥満とやせ—どちらが認知症になりやすい?

肥満とやせ、どちらが認知症になりやすいでしょうか?英国で行なわれた100万人規模の長期追跡調査では、追跡開始時の肥満と15年以上追跡後の認知症発症が相関していました。一方、低体重や低カロリー摂取、不活発な身体活動度は短期間の追跡では認知症を増や…

サウナは認知症を予防する!

フィンランドの伝統的なサウナは、80〜100℃と高温で、湿度は10〜20%と乾燥していて、時に熱した岩に水をかけて湿度を上昇させるといったものです(サウナの入浴回数は平均週2.1回、入浴時間は平均14.2分、温度は平均78.9℃でした)。サウナに頻回に入るヒトに…

サプリは認知症を予防しない

店頭で売られているサプリ(注1)は認知症を予防するか? 全く効果なし。以上!です。もう少し丁寧にみてみると、データベース検索において11,087件の論文がヒットし、タイトルと抄録を読んで9,487論文を除外、手作業で見つけた185論文を加え、そのうち1,41…

脳トレは有効か?

渡る世間は脳トレブームです。「脳トレ」のキーワードで検索してみると、「脳がみるみる若返る—脳トレ習慣」とか「認知症を防ぐ脳活ドリル」とか「毎日脳トレ計算ドリル」など、一生かかっても、こなしきれないほどの「脳トレ本」が出てきます。ところが、脳…

主観的な物忘れ—「気にしすぎ」なのか?

健常高齢者に(主観的な)物忘れがある場合、年相応であり、正常範囲(平たく言えば「気にしすぎ」)としてきましたが、高齢者が物忘れを訴えるのは「気のせい」ではないかもしれません。例えば、認知機能検査が正常でも自覚的物忘れがあるヒトではアルツハ…

認知症は減少している?!

高齢者の人口が増加しつづける社会では、認知症患者の数が増加することは当然ですが、認知症の発症率は減少しているという報告があります。フラミンガム研究では、認知症の5年累積発症率は3.6/100人(1997-1983年)から2.0/100人(2004-2008年)へと減少し…

認知症は予防する時代になっている

2017年と2020年のThe Lancet Commissionsの論文により修正可能な12の認知症の危険因子(短い教育歴、高血圧、難聴、喫煙、肥満、うつ、身体活動度低下、糖尿病、社会的孤立、過剰な飲酒、頭部外傷、大気汚染)が示されました。この12の因子により認知症の40%…

筋トレで、まずは体づくりから

筋肉は加齢とともにおとろえ、特に下肢の筋力が最初に弱くなります。したがって、自分で動くことができる状態を維持するためには、下肢の筋力を保つことが重要です。ガイトン生理学の教科書には「最大負荷に近い筋収縮を6回、1日3セット、週3日実施する…