スパイスは長生きの素

これまでに(2015年までに)分かっていること—スパイスとその主要活性物質が健康に良いことが実験や小規模の集団を対象とした研究で報告されています。スパイス消費量と死亡率に関する前向き試験は(その時点で [注1] )ありませんでした。

 

中国で行われた前向き調査では、スパイスにより死亡率が減少することが示されています [Ref. 1] 。この研究では、30〜79歳の男性199,293人と女性288,082人を中央値で7.2年追跡しました。その結果、一週間に1回未満のスパイス摂取と比較して、ほぼ毎日スパイスを摂取するヒトでは死亡のリスクが14%減少していました [注2] 。癌や虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡も同様に減少していました。

 

この研究で追加された新知見—他の危険因子とは独立して、スパイスにより総死亡率と特定疾患(癌や虚血性心疾患、呼吸器疾患)による死亡が減少する。

 

注1:現時点(2018年2月16日)でも (“spicy foods” OR curried food) AND mortalityをキーワードとして、PubMed検索してもこの論文以外に該当するものはないようです。

 

注2:コックス比例ハザードモデルにより、年齢、性別、教育歴、婚姻状態、飲酒、喫煙、身体活動度、体格指数、赤身の肉や果物、野菜の摂取量、追跡開始時の高血圧や糖尿病の有無、癌や心臓発作、脳卒中、糖尿病の家族歴により(当たり前ですが)多変量調整をしています。

 

Ref. 1: Lv J, Qi L, Yu C, Yang L, Guo Y, Chen Y, Bian Z, Sun D, Du J, Ge P, Tang Z, Hou W, Li Y, Chen J, Chen Z, Li L; China Kadoorie Biobank Collaborative Group. Consumption of spicy foods and total and cause specific mortality: population based cohort study. BMJ 2015;351:h3942.