飲酒と脳出血

脳出血脳卒中の病型の中で10-15%を占め、虚血性脳卒中脳梗塞)より一般的に重症です。飲酒と脳出血に関して、総説にまとめられています[Ref. 2] 。飲酒量の単位として、英国ではエタノールに換算して8 gを1単位とするのに対し、米国では14 gが1単位と巾がありますが、多くの国ではエタノール10 gを1単位の飲酒量としています。通常は1日1単位未満の飲酒量を軽度飲酒、1日1-2単位を中等度飲酒、1日2-4単位を高度飲酒、1日4単位以上を重度飲酒としています。大量に飲酒すれば脳出血のリスクが高まることは一致した見解ですが、軽度飲酒の影響については必ずしも明らかではありません。お酒をやめたヒトの中には健康を害したがために禁酒したヒトも含まれ、そのため飲酒量と疾患発症率のグラフが「適度に飲酒する方が、全く飲まないより良く」見えることもあります。最近の研究では「飲まないのが一番安全」と考察するものが多いようです。脳出血の危険因子としては、やはり高血圧がもっとも重要で、飲酒は血圧を上げることが多いので、そういう意味でも飲酒はひかえた方か良いようです。

 

Ref. 1: Peng J, Wang H, Rong X, He L, Xiangpen L, Shen Q, Peng Y. Cerebral Hemorrhage and Alcohol Exposure: A Review. Alcohol Alcohol2020;55:20-27.