脳MRI健診のオプションとしての食塩摂取量測定

2015年に食塩摂取目標値は1日あたり男性8 g、女性7 gに厳格化されましたが、日本人の食塩摂取量は1日男性14 g、女性11.8 gと依然過剰なようです。醤油や味噌からの食塩摂取量が多いのも事実ですが、今日では食塩摂取量の5〜8割は加工食品に由来するので、減塩のためには食品業界の協力が不可欠です。英国では国が食品業界に働きかけ、2005年からの3年間で塩分摂取量を10%削減することに成功しました。これにより医療費は年間2600億円減少したそうです。加工食品から多くの食塩を摂取している状況では、自分がどれくらいの食塩を摂取しているか判断することは難しくなっています。したがってまず自分の食塩摂取量を測定してみた方がよいでしょう。そういうことで私たちは脳MRI健診のオプションとして、24時間蓄尿による食塩摂取量の測定を開始しました。24時間蓄尿のためにはユリカップという1回ごとの尿の40分の1を正確にためることができる容器を用いました。脳MRI健診の最後に受診者で食塩摂取量測定を希望するヒトに集まってもらい、水を使ってユリカップの使い方を全員に練習してもらいます。あとは各自、都合のよい日に検査をします。起床時に最初の尿は捨てて(膀胱を空っぽにして)、ここから検査開始となります。あとは24時間の間はすべての尿をユリカップ蓄尿します。これだけです。せっかくの機会ですので、血圧計を持ち帰ってもらい、24時間の検査の最初と最後に朝の家庭血圧も測定してもらいます。