ヨガと脳の健康

ヨガはゆったりとした動きを基本とし、インナーマッスルを鍛える筋トレ効果もあります。動きとともに「呼吸」が重要で、鼻呼吸でゆっくりと吸って、吸った時間の倍の時間をかけて吐き出します。呼吸の通り道を感じて、呼吸に集中し、瞑想を行ないます。ヨガの歴史は長く(2000年以上昔のインドに由来する)、必然的に多くの流派と、身体操作にも様々な違いがあります。しかし、ヨガの真髄が「心とからだの融合を目的とする」ことに変わりはありません。西洋でヨガがはやりだしたのは20世紀に入ってからで、研究論文は1948年から出現し、2000年をまたいで急激に増加しています。ヨガは運動量としては一般的に軽度です。したがってヨガはエクササイズというより、どちらかというと瞑想に重きをおくものでしょう。

 

ヨガの医学的効果としては、心血管系疾患、糖尿病、筋肉・骨格系のみならず、不安やうつ、不眠などメンタルヘルスにも良い効果があります。4つの生活習慣について検討したものでは、もっとも心血管系疾患リスクを減少させる効果があったのはヨガで、次にウオーキング、地中海食的食習慣の順でした。禁煙できた場合の効果はもっとも大きいものの、禁煙自体の成功率が低いため、喫煙に対する介入効果は不十分でした。ヨガには高脂血症を改善し、血圧を下げ、体重を減らす効果もあります。ヨガは用具や高価な薬剤が不要で、自宅(おうちヨガ)や近場でできるという利点もあります。