なぜ夢をみるのか

「夢」という魅力的な言葉から何を連想するでしょうか。明るい未来の予感でしょうか。夢が現実となったら嬉しいとか、夢をかなえるために頑張るなどとよく言います。何かのTVドラマで「ヒトは夢をみるから生きられるのです」と誰かが言っていました(リーガルハイの新垣結衣だったでしょうか?)。臨床医学の観点から言うと、夢とはそういうものではなくて、夢は昨日の意識活動の名残(なごり)を清算し、翌日の活動に備えるためのものなのです。一晩に5回ほどあると言われる夢の多くは記憶に残りません。夢の目的は私たちの意識に情報を上げることではないのです。意識が正常に働くためには、昨日もしくは最近の「ざわめいた」葛藤を消化し、解毒しなくてはいけません。眠っている間に「意識の解毒と回復」を行なうための活動が夢なのです。