家庭血圧測定は必須!

高血圧の診断や治療開始の前に家庭血圧を測定することが必須になってきています。家庭血圧測定は朝と夜(寝る直前)が基本ですが、諸条件をそろえやすいので、朝の測定を優先したほうが良いと私は考えています。朝の家庭血圧測定は起床後なるべく早く(1時間以内)、排尿後、朝食や服薬の前で、座って必ず1-2分間の安静後に測るようにします。病院や診療所で測定した血圧値よりも、家庭血圧の方が将来の脳卒中や心血管系疾患の発症を予測する上で有用です。

 

家庭血圧測定が普及した結果、医療機関では高血圧、それ以外では正常血圧の白衣高血圧や、逆に医療機関では正常血圧、それ以外では高血圧の仮面高血圧などがあることが分かってきました。家庭で正常血圧の白衣高血圧はあまり心配ないようにも思えますが、白衣高血圧は必ずしも良性ではなく、心血管疾患や死亡のリスクが約3割上昇するという報告もあります。白衣高血圧のヒトは降圧治療するか否かにかかわらず、食生活の改善、減塩、運動、肥満があれば減量、飲酒を減らす、絶対的に禁煙すべきです。一方、仮面高血圧は病院で血圧を測ると高くないので安心してしまって、普段の血圧が高いことを見逃してしまうので、もっともタチが悪いと言えます。

 

再度強調します。家庭血圧測定は必須です!