「血圧の話」

脳卒中の予防のためには「血管危険因子の管理」がもっとも重要で、ここはどうしても血圧の話が多くなります。尾前照雄先生(1926〜2021)の「血圧の話」岩波新書)が出版されてから四半世紀以上が経過しました。その間に高血圧に関する知見の集積はすさまじいものがありますが、基本はあまり変わっていないような気がします。依然として高血圧のほとんどは原因不明の「本態性高血圧」ですし、治療も「薬(降圧薬)を飲んでおけば安心」くらいのことで何となくやり過ごしていることが多いように思います。減塩や有酸素運動、健康的な食事など病気になる前にやっておくことの重要性は今の時代でも変わりません。脳の健康にとって最大の関心事のひとつである高血圧について、次の四半世紀ではどのような進展があるのでしょうか。