肥満とやせ—どちらが認知症になりやすい?

肥満とやせ、どちらが認知症になりやすいでしょうか?英国で行なわれた100万人規模の長期追跡調査では、追跡開始時の肥満と15年以上追跡後の認知症発症が相関していました。一方、低体重や低カロリー摂取、不活発な身体活動は短期間の追跡では認知症を増やすように見えましたが、追跡期間を長く設定して解析するとやせと認知症の関連性は消失しました。つまり痩せていることや身体活動が不活発なことは認知症の原因ではなく、認知症になりかけた状態で生じた行動面の変容(不健康な食生活)によって引き起こされた結果であるという解釈です。別の長期追跡調査でも、認知症となった人は認知症発症よりさかのぼって1628年前は肥満で、発症の10年ほど前に平均的な体重となり、認知症発症8年前からは低体重となっていました。やはり先行する肥満が認知症の原因なのでしょう