教育とモチベーション

新型コロナウイルスで自粛まっさかりの2020年5月7日、NHKあさイチの冒頭企画《休校続く・・・子どもの「学習」への影響は?》で日本大学教授の末冨芳さん(リモート出演)が述べられたことが記憶に残っています。休校が続くことで、子供の学習に悪い影響が出ているのは確かであるとしても、大事なのは「勉強を嫌いにならないこと」であると。教育の一番の目的は「知識を得ること」でも「脳を鍛えること(脳トレ)」でもありません。休校中に家でいかに勉強するか(という技術的なこと)も大事ですが、より長期的には学習意欲を落とさないこと(嫌いにならないこと)が重要なのです。大切なのは子どもの「学びに向かう気持ち」なのです。ここで末冨さんがサラッと言われた「気持ち」の中身は「ヒトの一生にも影響するモチベーション」ということではないでしょうか。教育効果の中で、もっとも大事なものは「生涯にわたって持続するやる気(モチベーション)」を形成することではないかと私は考えています。末冨さんがサラッと言われたのは、私たち覚悟のない視聴者のモチベーションを落とさないようにという配慮かもしれません。