2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アミロイドβ抗体によるアルツハイマー病の治療

アミロイドはアルツハイマー病が発症するかなり前から脳内に沈着し始め、その後の病気進展のきっかけとなります。したがってアミロイドに対するモノクローナル抗体を投与して、脳内のアミロイドを除去すれば、アルツハイマー病の発症を抑えることができると…

家庭血圧測定が役に立つ というか必須

近年では高血圧の診断および治療を決定する前に家庭血圧を測定することになっています。治療開始の決定や降圧剤の増減の判断のためには、1日2回、4-7日の家庭血圧測定が必要ですが、長期間の観察には週に1-2回の測定で十分でしょう[Ref. 1] 。家庭血圧は起…

ビンスワンガー病について

ビンスワンガー病というのは広汎な白質病変が特徴的で、多発性のラクナ梗塞を伴う血管性認知症の一種です。白質病変とラクナ梗塞の組み合わせということでは、血管性認知症もしくは血管性認知障害の典型的な病型とも言えます。自験例を提示します。この症例…

飲酒と脳卒中—メタアナリシス

小量から中等量の飲酒(1〜2単位/日、ここでは1単位=エタノール12 g)は心血管系疾患に対して保護的に作用するのではないかという報告がありますが、観察研究から結論を得るのは困難です。適量の飲酒では善玉HDLコレステロールが増加し、インスリン感受性が…

潜在性脳梗塞があると認知症になりやすい(どれだけ?)

脳梗塞(特に脳小血管病によるラクナ梗塞)があっても、脳卒中の症状が出ることは意外と少ないことが知られています。しかしながらこのような小さな病変によって認知機能は障害され、認知症の発症は増加すると考えられています。脳MRIを用いて、多数例を追跡…