チョコレートと脳卒中

チョコレートとは栄養成分表示のいちばん最初に「カカオ」と書かれているものです。最初に「砂糖」があったら、それはチョコレートではなく、チョコ味をつけた砂糖のかたまりです(注)。それでは「本当の」チョコレートは健康に良いのでしょうか?メタアナリシスではチョコレート高摂取群では(低摂取群と比較して)脳卒中は16.3%、心血管疾患は12.0%減少していました。チョコレートの有益効果は45グラム/週でもっとも高く、100グラム/週を越えると有益効果は消失しました。摂取量がある一線を超えるとカロリーや砂糖が過剰となり、有害作用が出てきます。

 

チョコレートによる心血管系疾患予防効果はカカオ豆に含まれる大量のポリフェノールによると考えられています。果物、野菜、お茶、チョコレート、ワイン、オリーブオイルなどポリフェノールを多く含むもののなかでもカカオ豆のポリフェノール量は最大級です。カカオによって血管内皮機能が改善し、血圧が下がります。とは言っても、チョコレートは薬ではありません。心血管系疾患予防のためにチョコレートを食べるというのは(カカオが多くても)、ムダに「意識が高すぎる」と思えるのです。やはり高血圧などの強力な危険因子を持っているヒトはそちらを先に片づけておいた方がいいでしょう。

 

注:「最後のダイエット(p58)」(石川善樹、マガジンハウス) を参考にしました。