「果報は寝て待て」ない

睡眠時間が8時間より長いと脳卒中になりやすいという報告があります。最近の中国での200万人近くをあつかったメタアナリシスでも、加齢・高血圧・心血管系疾患の既往・慢性腎臓病・糖尿病・メタボリックシンドローム高血糖・肥満・喫煙などの古典的血管危険因子とともに長い睡眠時間脳卒中の危険因子として示されました。別の研究では、90分より長い昼寝や睡眠の質の悪さ、睡眠時間が9時間以上であると、脳卒中リスクが上昇していました。「寝つきが悪い」「夜中に目がさめる」「昼間眠たい」の3つのうち2つ以上があると、すなわち睡眠の質が悪いと脳卒中脳梗塞)のリスクが上昇していました。睡眠の質の評価が重要です。

 

長く寝た方が脳卒中になりやすいということは「果報は寝て待て」ないのでしょうか?この結果は、脳卒中として発症はしてないものの、ある程度の動脈硬化が既に進行して調子のおかしくなった脳の状態が、睡眠時間を長くしたという解釈もできます。