認知症は減少している?!

高齢者の人口が増加しつづける社会では、認知症患者の数が増加することは当然ですが、認知症の発症率は減少しているという報告があります。フラミンガム研究では、認知症の5年累積発症率は3.6/100人(1997-1983年)から2.0/100人(2004-2008年)へと減少していました(44%もの減少!)。その理由として「認知症の発症率が減少しているのは(少なくともフラミンガムでは)確かなようだが、教育が普及したこと以外に格別な原因がみあたらない」ということのようです。電話による認知機能検査をおこない、2000年と2012年を比較した報告では、認知症の頻度は11.6%から8.8%へと約4分の1減少していました。2000年から2016年の米国での認知症発症率の減少傾向も、その多くは教育で説明できると報告されています。

 

認知症の発症率が減るということは、認知症の予防ができる(もしくは予防可能性が高い)ということです。高齢者の人口増加×認知症の頻度=認知症のヒトの数の増加という一種の判断停止に陥ってしまうと、認知症予防の可能性を見逃してしまうことになりかねません。最近、認知症(が増加しているという注意喚起)が増加中です。ご注意ください。