認知症は予防する時代になっている

2017年と2020年のThe Lancet Commissionsの論文により修正可能な12の認知症の危険因子(短い教育歴、高血圧、難聴、喫煙、肥満、うつ、身体活動度低下、糖尿病、社会的孤立、過剰な飲酒、頭部外傷、大気汚染)が示されました。この12の因子により認知症の40%が説明可能で、12の因子を制御することができれば認知症の40%は理論的に予防が可能です。

 

短い教育歴認知症危険因子なので、幼児教育を重視すべきです。頭部外傷を減らし、アルコールをひかえ、収縮期血圧は130 mmHg以下を目標として、認知症の発症を予防すべきです。難聴があれば補聴器を使うことにより認知症リスクを軽減できると考えられています。禁煙することで晩年期の認知症リスクを軽減できます。理由はよく分かりませんが、大気汚染認知症の危険因子です。身体的活動が活発で、社交的なヒトでは認知症リスクが減少します。中年期から晩年期に有酸素運動を続けることで、肥満糖尿病心血管系疾患を軽減でき、認知症を(必ず—ではありませんが)回避できます。うつ認知症の危険因子ですが、認知症が逆に晩年期に特有のうつ症状を引き起こすこともあります。

 

認知症は予防する時代」になっています。