笑う門には福来たる

「将来的に必ず良いことが起こる」「良いことしか起こらない」と思うポジティブな心の持ちよう(楽天的)であることは、学業や仕事、スポーツのみではなく身体面でも良い効果をもたらします。メタアナリシスでは、楽観的であることは心血管疾患を35%、死亡率を14%減少させていました。米国の看護師健康調査と退役軍人加齢研究では、楽天的最上位群では(最下位群と比べ)11〜15%寿命が伸びていました。一方、オーストラリアで行なわれた20年の追跡調査では、悲観的であると全死亡率と心血管系疾患が増加していましたが、楽観的であることとは相関がありませんでした。

 

楽天的であると長生きするのはどうしてでしょうか?楽天的なヒトは、人生の目的とそれを達成できる自信を持っていて、食事や運動習慣などの生活習慣はおのずと健康的なものになるでしょう。楽天的傾向のヒトは、ストレスに対して感情面の動揺が少なく、ストレスからの回復も早く、これも良い結果をもたらす一因かもしれません。危機的状況となっても挑戦意欲(チャレンジ)を持ち、長期目標を重視して、刹那的利益には惑わされないなど、心理的利点が楽天家には多いようです。